【2026年版】キャリアアップ助成金(正社員化コース)とは?人手不足時代の処遇改善を社会保険労務士が解説

キャリアアップ助成金正社員化コースのサムネイル

「求人を出しても応募がない。問い合わせすら来ない。」

昨今の少子高齢化の影響もあり、こうした悩みを抱える事業者は少なくありません。

人手不足問題は、路線バスの減便や廃止、宅配便の「置き配」普及など、私たちの日常生活にも既に明確な影響を与えています。

筆者は就職氷河期世代ですが、当時はコールセンターへ電話をすれば当たり前に繋がり、人手不足が日常生活へ直接影響を及ぼすことはほとんどありませんでした。

しかし現在は、人材確保そのものが企業経営の重要課題となっています。

事業主は業務を受託し事業を運営する立場である以上、発注者と受注者の間には一定の力関係が存在します。

一方で、雇用関係助成金を審査する労働行政は、労使間の適切なバランスを維持するための仕組みとして機能しています。

社会保険労務士は雇用関係助成金の申請代行を行っていますが、日本の労働行政は世界的にも評価されており、現在は諸外国の制度構築への国際協力も進められています。既に一部の国では、社会保険労務士による申請代行制度が導入されています。

2026年春には、関東地方の路線バス事業者が賞与や諸手当を巡る交渉でストライキを通告し、決行直前で労使妥結に至る事例もありました。

こうした事例からも、労使間の力関係は徐々に変化しつつあるのかもしれません。

そのため、従業員の処遇改善は今後ますます重要になっていくでしょう。

ただし、処遇改善にはコストも伴います。

そこで活用したいのが「助成金」です。

キャリアアップ助成金(正社員化コース)とは

2026年現在、都道府県労働局では、6か月以上雇用した契約社員を正社員へ転換した場合、原則40万円が支給される制度があります。

※母子・父子家庭などの加算措置が適用される場合があります。

少子高齢化社会において人材確保を行い、持続的な事業継続を目指すうえで、キャリアアップ助成金(正社員化コース)は非常に重要な制度といえるでしょう。

特に非正規労働者の活用と処遇改善は、人材確保の大きな鍵になると考えられます。

正社員化コースで注意したいポイント

ただし、形式的な正社員転換では助成金の対象外となるケースがあります。

2026年現在、正社員転換時には賃上げが必要となっています。

しかし、単純に一定額賃金を上げればよいというわけではなく、支給要件を満たしているか慎重に確認する必要があります。

具体的には、

・通勤手当、賞与、残業代は賃金比較の対象から除外される

・毎月支給額が変動する手当についても除外される場合がある

・毎月固定で支給される手当については、就業規則への記載が必要となるケースがある

などがポイントになります。

そのため、就業規則の整備や賃金規程の作り込みが非常に重要になります。

助成金が受給できないケース

キャリアアップ助成金には、さまざまな支給要件があります。

例えば、

・一定期間内に解雇者を出している

・最低賃金を下回っている

・労働保険料の滞納がある

といった場合には、助成金の対象外となることがあります。

これは、労働者の処遇改善を目的とした制度であることを考えれば当然のことかもしれません。

また、変形労働時間制を導入している場合には、正社員転換前後の賃上げ幅について時間単価で検証されるケースもあります。

社会保険労務士へ相談するメリット

助成金制度は非常に有効ですが、その一方で制度は複雑化しています。

社会保険労務士事務所では、

・就業規則の整備

・賃金規程の作成

・給与データのチェック

・助成金の試算

などを比較的廉価にサポートするメニューを用意している場合があります。

また、顧問契約を締結することで、

・着手金の軽減

・労働保険の年度更新対応

・各種労務相談

などを受けられるケースもあります。

キャリアアップ助成金は対象者ごとに申請を行う制度のため、対象人数が多い場合は顧問契約を活用することも一つの選択肢でしょう。

外国人雇用における留意点

現在、日本では多くの外国人材がさまざまな産業分野で活躍しています。

一方で、制度上、一定期間経過後に帰国するケースもあります。

こうした背景から、助成金制度上では「我が国において永住権を有する方」が正規労働者の定義に含まれる場合があります。

外国人材を積極的に採用している事業者においては、制度上の取扱いについても確認しておくことが重要です。

人材確保のために助成金を活用するという考え方

キャリアアップ助成金は、非正規労働者を正社員へ転換する制度であるため、採用時点で正社員化が確約されている場合には対象外となります。

もっとも、実務上は一定期間の適性確認や育成期間を設けることも珍しくありません。

経験の浅い方を採用し、一定期間を経て正社員化を検討するケースでは、本助成金は採用リスクの軽減策としても有効といえるでしょう。

また、日本では解雇規制が比較的厳しいことからも、人材採用のリスクを軽減する制度として活用価値は高いと考えられます。

助成金申請に必要な就業規則や賃金規程の雛形を提供している社会保険労務士事務所もあります。

もちろん、雛形はあくまでも参考資料であり、パートタイマー、契約社員、育児休業制度など個別事情への対応には別途調整が必要になる場合があります。

助成金制度は難解に感じられることもありますが、専門家へ相談することで負担を軽減しながら活用することも可能です。

人手不足が深刻化する時代だからこそ、助成金を活用した処遇改善や採用戦略を検討されてみてはいかがでしょうか。

執筆者紹介

〒981-3203
仙台市泉区高森8-5-10
みちのく社会保険労務士事務所
社会保険労務士 齋藤 潤吾
℡:080-5220-8548
お問い合わせはこちら


雇用関係助成金の申請支援や就業規則整備、労務相談などを中心にサポートされています。

キャリアアップ助成金をはじめとした各種助成金制度は、制度変更も多く要件が複雑化しています。

人材確保や処遇改善をご検討されている事業者様は、一度ご相談されてみてはいかがでしょうか。

ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。

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