なぜ中小企業ほどTikTok採用に向いているのか?カッコつけない発信が人を呼ぶ理由
求人を出しても応募が来ない時代に注目される「TikTok採用」
「求人を出しても応募が来ない」「若い人材がなかなか集まらない」。
人手不足が深刻化するなか、このような採用課題を抱える中小企業は少なくありません。
そこで、新たな採用手法として注目されているのが「TikTok採用」です。
ダンスやユニークな企画など、若い世代を中心に利用されてきたTikTokですが、現在では企業が自社の魅力や職場の雰囲気を発信し、求職者との接点をつくる採用チャネルとしても活用されています。
静岡を拠点にSNSマーケティング・動画制作を手がけるSocial Super Chargerの三本雄登氏は、美容クリニック、介護施設、製造業など30社以上のSNS支援に携わり、これまで2,000本以上の動画制作・運用を経験しています。
その実践のなかで見えてきたのが、TikTok採用で成果を出す企業と伸び悩む企業の違いは、必ずしも撮影技術や編集テクニックだけではなく、「どのような姿勢で発信するか」にあるということです。
今回は、TikTokの利用状況を踏まえながら、なぜ中小企業の採用にTikTokが活用されているのか、そしてSNS採用で重要となる考え方について解説します。
TikTokの利用拡大と企業アカウントが増えている理由
TikTokは2016年のリリース以降、世界的に利用者を増やしてきたSNSプラットフォームです。
特に注目すべきなのが、これから企業が採用したい若年層との接点を持ちやすいことです。
10代・20代を中心に高い利用率を持つ一方、30代・40代以上にも利用者層が広がっており、TikTokは「一部の若者だけが利用するSNS」から、幅広い世代が情報収集に利用するプラットフォームへと変化しています。
そのため、新卒採用や若手人材の採用だけでなく、中途採用などにおいても活用できる可能性があります。
また、TikTokは製造業や建設業など、一見するとSNSとの相性が良くないと思われがちな業種にとっても活用余地があります。
求職者が企業を選ぶ際、給与や福利厚生などの条件だけでなく、「どのような人が働いているのか」「職場はどのような雰囲気なのか」といった情報も重要な判断材料になります。
求人票だけでは伝えにくいこうした情報を、短い動画によって視覚的に届けられることが、TikTok採用の大きな特徴です。
さらに、XやInstagramなどと比較すると、TikTokを採用活動に本格活用している中小企業はまだ限定的です。
競合企業が十分な発信体制を構築していない段階から継続的に情報を蓄積することで、自社の認知を先行して獲得できる可能性があります。
採用コストだけではない、SNSが持つ「資産性」
企業が人材を採用するためには、求人広告、人材紹介、採用イベントなど、さまざまなコストが発生します。
特に人材紹介サービスでは、採用者の年収に応じた成功報酬が発生するケースも多く、採用人数が増えるほど企業の負担も大きくなります。
もちろん、人材紹介や求人媒体にはそれぞれの強みがあり、SNSだけですべての採用活動を代替できるわけではありません。
しかし、SNS採用には従来の採用手法とは異なる大きな特徴があります。
それが「発信したコンテンツが企業の資産として蓄積される」という点です。
人材紹介では、新たな人材を採用するたびに費用が発生します。
一方、SNSに投稿した動画は、公開後もアカウント上に残り続けます。
過去の動画を見た求職者が企業を知り、他の投稿も閲覧し、会社の雰囲気や働く人について理解を深めていくこともあります。
動画が増え、フォロワーや視聴者との接点が蓄積されれば、採用活動を行うたびにゼロから認知を獲得する必要もなくなっていきます。
この意味でSNS採用は、単発の広告費というよりも、中長期的に企業の採用力を高めていく「情報資産への投資」と捉えることができます。
特に採用予算が限られる中小企業にとって、継続的に自社へ蓄積される情報発信の基盤を持つことは、今後さらに重要になるでしょう。
なぜTikTokで「カッコつけすぎる」と伸びにくいのか
企業がSNSを始める際、陥りやすいのが「会社をできるだけきれいに見せよう」とすることです。
洗練された映像、完璧に整えられた言葉、隙のない演出。
企業ブランディングにおいて、こうしたコンテンツが必要な場面はもちろんあります。
しかし、TikTokでは、完成度を追求しすぎた企業コンテンツが必ずしも視聴者の共感を得られるとは限りません。
その理由のひとつが「人間味」です。
求職者が本当に知りたいのは、完成された企業広告だけではありません。
「どのような人が働いているのか」
「職場ではどのような会話が交わされているのか」
「自分が入社したら、どのような人たちと働くことになるのか」
こうしたリアルな情報が、応募を検討するうえで重要になります。
例えば、役員がぎこちなく流行のダンスに挑戦する様子や、社員同士の自然なやり取り、撮影中のちょっとした失敗など、一見すると企業広告らしくないコンテンツが大きな反応を得ることがあります。
三本氏が支援したある製造業でも、真面目な会社紹介動画より、社長が若手社員から流行のダンスを教わりながら四苦八苦する動画の方が大きく再生され、応募増加につながった事例があったといいます。
重要なのは、企業を必要以上に良く見せることではありません。
その会社に実際に存在する「人」や「空気」を伝えることです。
企業側が隙のない姿だけを見せてしまうと、求職者にとっては入社後の姿を想像しにくくなります。
反対に、働いている人の素顔が見えることで、心理的な距離が縮まり、「この会社で働いてみたい」という感情につながる可能性があります。
「エンタメ × トレンド × 会社」で人が集まる採用アカウントをつくる
では、企業はどのような考え方でTikTokを運用すればよいのでしょうか。
三本氏が現場で重視しているのが、
「エンタメ × トレンド × 会社」
という3つの要素です。
TikTokで注目されている音源やフォーマットを取り入れる「トレンド」。
視聴者が笑ったり、続きが気になったりする「エンタメ」。
そして、自社で実際に働く社員や職場の雰囲気という「会社」。
この3つを組み合わせることで、単なる企業広告ではなく、ユーザーが自然に見たくなるコンテンツをつくることができます。
特に製造業、介護、運送、建設など、一般的には「SNS映えしにくい」と考えられている業界ほど、実際の職場とのギャップがコンテンツの魅力になることがあります。
真面目な会社案内だけでは伝わらなかった、
「この会社、意外と面白そう」
「働いている人たちの雰囲気が良さそう」
「ここなら自分も馴染めるかもしれない」
という感情を、数十秒の動画によって伝えられる可能性があります。
大切なのは、演出によってつくられた「良い会社」を見せることではありません。
その会社が本来持っている魅力を、トレンドという入口とエンタメという形式を活用して届けることです。
視聴者が会社で働く人たちの姿に共感したとき、初めて「ここで働く自分」を具体的に想像できるようになります。
TikTok採用は、中小企業だからこそ活用できる
採用市場において企業間の人材獲得競争が激しくなるなか、SNSは単なる情報発信ツールではなく、企業と求職者が直接つながるための重要な接点になっています。
特にTikTokでは、大企業のような知名度や莫大な広告予算がなくても、企画や発信内容によって多くの人へ情報を届けられる可能性があります。
だからこそ、中小企業にとって大きなチャンスがあります。
カッコつけすぎず、自社で働く人たちのリアルな姿を見せる。
トレンドとエンタメを活用しながら、会社本来の魅力を伝える。
そして、一過性の採用活動で終わらせず、継続的に動画を蓄積し、自社の採用資産へと育てていく。
こうした取り組みが、これからの採用活動において重要になっていくでしょう。
エキスパーツ統括事務局より
今回ご寄稿いただいた三本雄登氏は、静岡を拠点にSNSマーケティング・動画制作を手がけ、美容クリニック、介護施設、製造業など30社以上、2,000本以上の動画制作・運用に携わってきたSNSの専門家です。
特に、企業を必要以上にカッコよく見せるのではなく、そこで働く人や職場のリアルな魅力を引き出し、視聴者に届くコンテンツへ変えていくことを得意としています。
「求人を出しても応募が集まらない」「若い世代に自社を知ってもらいたい」「SNSを採用に活用したい」という企業は、TikTokをはじめとしたSNS活用について、三本氏に相談してみてはいかがでしょうか。
三本雄登氏へのお問い合わせ
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寄稿:Social Super Charger 三本雄登
編集:ハイタッチ・マーケティング有限責任事業組合 職務執行者 柳澤研
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